オール電化とガスの併用はどちらがお得?
新しい住宅に住み替えることを機会に、思い切ってオール電化に変更を希望するという家庭も少なくないのではないでしょうか。確かにオール電化にはガスにはないメリットがありますが、その部分だけをクローズアップしてしまうと、思わぬところで後悔することになるかもしれません。ガスと比べてどの点が有利なのか、そして、コスト的にはガスの併用と比べてどちらが有利なのか、といったことを検証してから決める必要があるでしょう。
まず、オール電化のもっとも大きなメリットは安全性が高いということです。その名前のとおり、電気のみを利用することになるので、ガスのように火災が発生するというリスクがありません。たとえ小さい子供やお年寄りが同居していたとしても、危険性を感じることはガスに比べてずっと少ないということが出来ます。
それから、電気料金プランをオール電化向けにすることによって電気代を安く抑えることが可能となります。料金が安い夜間に蓄熱する暖房機を利用すれば、エアコン代を節約することが可能です。オール電化にしてしまえば、ガスの基本料金を支払う必要もなくなるので、ガスを併用するよりも一見お得なように見えますが、実はオール電化のデメリットのひとつに高額な初期費用が掛かる、ということを忘れてはいけません。
エコキュートや蓄熱暖房機、IHクッキングヒーターといった機器を利用することになりますが、それらの機器を購入するだけでなく、設置する工事費も頭に入れておいてください。費用相場は大きさによっても異なりますが、50万円以上することも決してめずらしくはありません。
それからもうひとつ忘れてはならないのが、停電が発生した場合のことです。家中の電気が通らなくなるため家電はすべて機能停止となってしまうことは免れません。すぐに復興すれば良いのですが、何時間も停電が続くと冷蔵庫の中身の心配や、風呂にも入れずに日常生活に支障をきたすということも起こり得ます。
このようにトータル的に考えると、オール電化が必ずしもお得だとは言い切れないのではないでしょうか。例えばエネルギーコストに優れている都市ガスと併用して利用すれば、基本料金は一本化出来ないにしても、停電時のリスクを分散させることが可能となります。オール電化は便利で安全ではありますが、ガス併用とのメリットとデメリットをじっくり考慮したうえで、どちらを選ぶか慎重に決めることをおすすめします。